01.甘やかし上手                                           2013,01,05


「エル、好き嫌いはダメですよ」
「………」
「トマトは体にいいんですから」
「………」
「ね。一緒に食べましょう」
「………ヤダ」
「ん」
「わっ、エル用だー!」
「ルドガー!」
「これならダイジョブ!ありがと、ルドガー!」
「……ルドガー。エルに甘すぎませんか?」
「ん」
「ピンクのショートケーキ!?
……スープが冷めないうちにいただきましょうか」
「エリーゼもまだまだお子様だなぁ」






02.噛み合わせ                                            2013,01,05


「オーバードライヴ!」
「衝波魔人拳!」
「決めるぞ、ジュード!」
「「虎牙破斬・咢!」」

「ミラとジュードの連携は息ピッタリね」
「ありがとう、ミュゼ」
「ちょっと妬けちゃうくらい」
「だからといってジュードに手を出したらダメだぞ、ミュゼ」
「ダメ?」
「ダメだ。ジュードは私の大切な仲間なのだから」
「ミラ……!」
「………なあ、ガイアス」
「アルヴィンか。どうした?」
「これ、どこから突っ込めばいいんだ?」
「ミュゼは大方あんな感じだぞ」
「微妙に噛み合ってない!なにこのボケ倒し!?」





03.文明の利器                                            2013,01,05


「失礼」
「めちゃはやっ!」
「ローエン、相変わらずGHS使いこなしてるね〜!」
「お待たせしました。ジジイも若者に負けていられませんから」
「お仕事お疲れ様です」
「エリーゼさん、レイアさん、そう気を使わなくてもいいんですよ。先ほどのメールはガイアスさんからでしたので」
「ガイアス、メール打てるようになったんだ!」
「どんな内容だったか聞いてもいいですか?」
「はい。『きかいからでんはがならん(∵)』というメールでしたので、マナーモードの解除方法をお伝えしておきました」
「……道は険しそうだね」
「こればかりは」
「その割にはローエン、楽しそうじゃな〜い?」
「いつの時代でも、ジジイは若者に教えたがりなものですから」
「「なるほど」」





04.双子                                               2013,01,05



『いっ、今のはルドガーとサスガーをかけたギャグじゃないからね!?んじゃっ!』
♪〜〜♪〜♪
「………?」
『ヴェルです。分史対策室の調査でお伝えすることが………え?
私とノヴァのテンションの落差についていけない、と』
「テンション全然違うもんね〜」
「ああ」
『よく言われます。私たちは正反対の双子だと』
「双子なのに?」
『双子だからこそ、かもしれません。お互い足りないところを補い合う場面もありますから』
「そっか……エル、お姉ちゃんいないから分かんないや」
「ん」
「ルドガー……」
『お二人は仲がよろしいのですね』
「ああ」
「そう言えばアイテムボールもらった時、部屋が汚いドーキョニンってノヴァは言ってたけど、それがヴェルなら、ノヴァはキレイ好きなのかな?」
『………申し訳ありません、急用を思い出しました。要件はまた後ほどご連絡致します』
「……………」
「?どうかしたの、ルドガー?」
「なんでもない……」






05.餅ついて                                             2013,01,05


「ルドガー、すごーっ」
「ハンマー、威力抜群だね」
「ふんっ」
「これでお餅付いたらバッチリだね!こねるのはジュードで」
「あ、分かる。あなた似合いそう」
「でしょー!?」
「なんでお餅……」
「はは……」
「とか言ってたらお腹すいてきちゃった。ミラ〜」
「はいはい。なにか適当なものでも作ってあげるわよ」
「なんか、あの二人姉妹みたいだね」
「ああ」
「微笑ましいなあ」
「ルドガー!ジュード!ぼーっとしたら置いてっちゃうよ〜!」
「今行くよ!」





06.読書                                               2013,01,05


「おや、エリーゼさん。詩集ですか?」
「はい。最近、詩集を読むのにはまっているんです」
「それは素晴らしいことです。ちなみに今お読みになられているのは?」
「『青春の日々』という詩集ですよ」
「ああ。それはいい本です。しかしまた渋いチョイスですね。もっと今風の詩集もあるでしょうに」
「ドロッセルの影響で、この時期出版された詩集を探すのがブームなんです」
「………エリーゼさん」
「どうしましたか、ローエン?」
「もしやアレをお読みになられました?」
「うっとりするくらい情熱的な詩篇でしたっ♪」
「おっ、お嬢様あああああああああああ!!!??」





07.何味?                                              2013,01,05


「ゲップー。食べた、食べたー」
「さっきから気になってたんだけど、コイツ何食べてるの?」
「コイツじゃないよー!?ティポだよー!!」
「確かやる気的なものって言ってなかったっけ?」
「……ジュード、スルースキル上げたねー。ひどー」
「えぇ!?」
「それって美味しいの?」
「ジュードのはイチゴ味だよー」
「イチゴ味……」
「エル、じっと見ないで……」
「エルのは?」
「う〜〜〜ん。トマト味?」
「えー、やだ!変えてー!」
「ワガママ言わないのー」
「なんだろう……この会話」





08.年の差                                              2013,01,05


「さっすがドロッセル!本を読む姿も絵になるね!」
「あら、レイア。でもこれ恋愛小説よ?好きな作家さんの最新刊が出てたの」
「へえ〜。それって面白い?」
「ええ。年の差のある男女のお話なんだけど……」
「うんうん」
「女の子が小さいのに健気で……」
「うんうん」
「男の人のことが好きなのに素直になれなくて……!」
「うん?」
「もうっ、ほんと可愛くて応援したくなっちゃうっ!!」
「……なんかどこかで見たことがある光景な気がするなー」
「え?」
「レイア!ペン忘れてたよ〜ってうわ!?」
「エルちゃん!お姉さん、応援してるからね……!!」
「え?え?な、なにが?」
「エルとルドガーはそういうのとは違うと思うけど……」
「そういうところから始まる恋もあるでしょ!!」
「ダメだこりゃ」
「???」





09.トマトと弟                                            2013,01,05


「♪〜〜♪〜〜〜♪」
「鼻歌なんて歌っちゃって、ご機嫌ですねぇ室長は」
「リドウか。今朝、ルドガーがトマトクリームパスタを作ってくれると約束してくれたんだ」
「食べ物に釣られるだなんて、案外子供っぽいところもあるんですねぇ」
「ルドガーの手料理はそんじゃそこらのシェフよりうまいからな。楽しみだよ」
「身内贔屓すぎやしねぇか?」
「ハハ、よく言われるのは知ってるじゃないか」
「………」
「おっと、時間だ。今日は定時で帰らせてもらうよ」
「……………嫌味を全部スルーしやがったあの野郎…ッ……!!」






10.たいせつなもの                                          2013,01,05


「あーうー」
「おーよしよし。エルたんはいい子でちゅねー」
「ふふっ、あなたったら。すっかりエルに夢中なんだから」
「私と君の愛の結晶なんだからな。溺愛もするさ」
「もう。将来この子が旦那さん連れてきたら大変ね」
「エルは嫁に出さんっ!!」
「そんなにハッキリ言わなくても。ホント、今から大変ねぇ」
「……なあ、ラル」
「?」
「私は幸せ者だな、とつくづく思うんだ」
「……そうね。私もよ」
「君とエルと私と。これからは三人で未来を作っていこう」
「あら。三人だけでいいの?」
「……っ…ら、ラル?」
「最近あなた、エルばかりだもの。たまには私にも構ってくれないと拗ねてしまうかも……な〜んて、きゃっ!?」
「気がつかなくてすまなかった」
「え?ええ?」
「エル、いい子でねんねしてるんだぞ」
「あ、あなた?ちょっとまだ昼間よ……!」
「もちろん君のことだって愛してる」
「〜〜〜っわ、私もよ……」
「ああ」