「すごいや、ルドガー!」

興奮を抑えきれないといった様子で、目の前の青年は小さな冊子を握りしめた。
捲られたページに印字されているのは、これでもかと言わんばかりにびっしりと並べられた――――数字の羅列。さほど厚みはないものの、どのページも似たような仕様になっている小冊子のタイトルには、でかでかと真っ赤な文字で『時刻表』と書かれてある。
キラキラとした瞳で冊子を見つめるジュードの横顔に、ルドガーもまた相好を崩した。
「喜んでもらえたようで良かったよ」
「鉄道がこんなに奥深いものだと思わなかった……。ルドガーのおかげで新しい世界が開けたような気がするよ!」
「……う、うん」
着実に鉄道に目覚めつつある友人の姿に、そっちの道に引きずり込んでしまって良かったのかなぁと内心冷や汗をかいたルドガーは、結局のところこう結論をつける。本人は嬉しそうだし、まあいいか、と。
「この便に乗ったらディールまで行けるけど、道中トリグラフで休憩も挟めるぞ。食堂のトリグラタン弁当は有名だから、一度は食べておいた方がいい」
「僕はクルス肉弁当も気になってるんだけどなぁ」
「ならどっちも頼めばいいだろ。弁当なんだし」
「それもそっか」
納得したようにジュードが頷く。
そう言えばなんだかんだと騒動に巻き込まれっぱなしで、地元の駅弁すらまともに食べる機会がなかった。不思議な縁ではあったけれど、こうして腹を割って話し合える友人ができたのだ。町でも評判の食堂に一緒に足を運んでも罰はあるまい。
以前ユリウスと共に訪れた食堂を思い出して、ルドガーは小さく笑った。本当はユリウスとジュード、それから皆で行ければいいのだけれど。
「また今度。一緒に行こうな、ジュード」
莫大な借金を背負うことになったルドガーを見放すような真似をせず、ここまで手を貸し続けてくれた掛け替えのない友人に向かって、ルドガーは笑いかける。
「うん。そうだね、ルドガー」
そうすれば、このお人よしで気の置ける友人もまた笑ってくれるのだ。















選ばないだけなら
不安はないね

だけど変わることも
ないよね















ずぶり、と肉を裂いた生々しい感触があった。
顔にかかった生温かい液体からは、鉄の臭い。真っ赤なそれが、目の前で噴水みたいに巻き散らかされるのをどこか他人事のようにして見ていた。
ああ、ついにやってしまった、と。
まるで人形みたいに意志を無くした身体から、もう片方の剣も引き抜く。リーゼ港というキャンパスに、何も分からない子供が絵の具で描きたくったような赤黒い色が塗り潰されてゆく。
どさりと地面に落ちていったそれは、もはや物体だ。
もう微笑みかけたり、物を言ったり――――ましてや鉄道のことで目を輝かせたりすることはない。
「ジュードおぉッ!!!」
甲高い悲鳴が赤黒い空を裂いた。
真っ先にその物体に駆け寄ったのは金色だった。その無防備な背中を銃で撃ち抜く。
パアァン、と乾いた音と共に崩れ落ちたそれに、一気に間合いを詰める。相手は精霊の主だ。やるなら、徹底的にやる。
持ち替えたハンマーを振りかぶった。
空を裂いて振り下ろしたハンマーが、狙い通りに小さな頭を粉砕する。
一回じゃ足りない。分からない。壊れるまで、何度でも降り降ろそう。
――――頭を潰されてしまっては、精霊だろうが何だろうが再生はできまい。潰れた頭蓋の中身には目もくれず、ルドガーはハンマーを握り直した。
「あ、あ、あ……」
怯えたようにルドガーを見上げる視線がそこにはあった。
どうして今更?
だって、最初に仕掛けてきたのはそっちの方だろう?
俺だってバーニッシュ、一緒に探してやりたかった。またエルと笑い合いたかった。
でも、選ばなきゃならなかったんだろ?
どちらかにしなけりゃならなかったんだろ?
その結果がこれなのに、自分の選択を受け入れることが出来ないのか?……だとしたら、やっぱり彼女はまだ子供だ。
「エリーゼッ!」
キィン、と火花が散る。
振り下ろしたハンマーを受け止めるのは一本の昆だった。交差される腕の間から、強い怒りを滲ませたエメラルドの瞳がルドガーを真正面から捉える。
「よくもジュードとミラを……!」
「………っ」
力で押し切れば、押し流すかのように彼女はステップを踏む。流れるようなその動きは、今までずっと近くで見てきた。……もちろん、彼女が無意識で行っている右側に寄る時、死角が出来る悪い癖も。
「あっ!」
跳ね飛ばされた昆を求めて、左手が伸ばされる。
その絶好のチャンスを見逃さないわけがない。無造作に積み上げられたコンテナを蹴りあげて、ルドガーは持ち替えた双銃で撃ち抜いた。
「……………え?」
驚いたようなエメラルドの瞳が、自分の胸を見下ろす。傷一つない自身のその向こう側―――――空から落ちてきた物体の姿を視界に収めて、彼女は唇を戦慄かせた。
「ミュゼッ!!?」
腕輪のおかげで、精霊の片割れの考えていることはだだ漏れだった。
不意を突こうとする戦術も、どこから狙おうとしているのかも、全部。
乾いた銃声を弾く音が聞こえて、そこにきてようやく彼女は自身もまた狙われていたことを悟る。
「レイアッ!!」
呆然とする彼女を庇って、大剣を構えた茶髪の商人が立ちふさがった。
「ぼさっとするな!!気ィ抜いたら殺られるぞ!!」
「で、でも……っ!」
「こいつはすでにジュードとミラ、ミュゼまで殺ってんだぞ!!」
「………っ」
怒気を孕んだ険しい表情が真正面からぶつけられる。彼からは世界を救うという大義名分なんて、すでに消え失せていた。そこにある怒りは、殺害された仲間への強い想いだ。
震える膝で立ち上がる少女の傍に寄り添う紫のぬいぐるみが視線の先で見えた。さらにその傍に立つ青い装束の老紳士と、黒いコートの男も。
こうなると色々と厄介だ。
「………」
俺は、選択をした。
世界か、ユリウスか。――――もっと正確に言えば、少女か兄か。



そうして俺は、ユリウスを選んだ。
ただ、それだけのこと。



壊してしまえ。
そう、声が聞こえる。
数々の分史世界を手にかけた俺に、甘く、内側から響く声が囁く。こんな理不尽な世界なんて壊してしまえばいいのだ、と。
「……ああ、そうだな」
ユリウスを殺して手に入る世界に、一体どんな価値があるんだろう。
仕事で疲れて帰ってきたユリウスのためにトマト料理を作る時間が、俺にとって何より穏やかな時間だったのに。
だから、たった一人の肉親を……ユリウスを殺すことで得られる…………この世界なんか。

「壊してしまえばいいんだ」

ぱきり、と何かが割れたような音がしたような気がした。
ぱきり、ぱきり。
ああ、耳触りだ。
「ああああああああッッ!!!」
振りかざした懐中時計から、眩い光が溢れ出す。
ごめんな、エル。
心の中で少女を想う。俺はエルを一番にはしてやれなかった。
俺の一番は――――幼いころからずっと俺を守り続けてくれた、兄さんだった。

壊レロ。
こんな世界なんて。

壊レロ。
そう、分史世界を破壊した時のように。

壊レロ。
壊レテ、シマエ。





壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ壊レロ















いつだった?
どうなった?

もうダメだって
全ておしまいだってなってた





『すごいや、ルドガー!』

そう、感嘆のため息と共にキラキラと輝いていた時間は確かにあったはずだった。
他愛もないような会話。鉄道というマニアックな趣味に目覚めてしまった友人と、行きもしないエレンピオスの地を想像するのは楽しかった。
どの便に乗ろう?
かかる時間はどのくらい?
どこで乗り換える?
どんな駅弁を食べよう?
その時間は、本当に楽しかった。ユリウスもそこに交えていれば、もっと楽しかっただろうなと思った。
眩しいジュードの笑顔が紅く塗り潰されてしまったのは、どこで間違えてしまったから?
いや、間違いなんてなかったのかもしれない。
この選択は必然で――――選択肢を作ったのは、この世界だったのだから。





「お前は……俺なんかのために、すべてを捨てたのか?」
静けさの中にあるリーゼ港でただ二人、立つ兄弟の片割れは震える声で問いかけた。
海を前に、力なく双剣を持つ弟の衣服は血に濡れていた。その傍には、奇怪にひしゃげた細い腕が転がっている。切り裂かれ、ぼろぼろに薄汚れた紫色のぬいぐるみはもう何も喋らない。
ただ、乾いた静けさだけがリーゼ港には落ちていた。
沈黙を守る弟の背中を見つめ、それから胎児を包む不気味な球体を……カナンの地を見上げてユリウスは呟くようにして言った。
「全部……無駄だったか……」
兄の願った世界は、弟のそれとは違っていた。
ただ、それだけのことだった。
そしてそれこそが全ての過ちだったと気が付いた時には、何もかもが遅すぎた。
「うっ……!!」
銀色に光る懐中時計がユリウスの腕から滑り落ちる。
カチャンと鳴った無機質な音に、我にかるかのようにしてルドガーが振り返った。
「ぐあああ……っ!」
そのエメラルドグリーンの瞳で捉えたのは、左手を押さえ、苦しそうに呻く兄の姿だった。
「!!」
「うっ、うぐ……」
血に濡れた双剣を放り捨てて、ルドガーがユリウスへと駆け寄る。兄を想う献身的な影を、ルルだけがじっと見つめていた。
ユリウスはすでにこの場所へ至るまで、何度も外殻を使っていた。
もう引き返すことが出来ないほどに、ユリウスの身体は時歪の因子<タイムファクター>化が進んでいたのだ。
その顔面にまで時歪の因子<タイムファクター>化が進んだユリウスの肩を持ち、潤む視線でルドガーは首を振った。
まるで、嫌々をする小さな子供のように。
「ルドガー……」
絞り出す様に、滲む視界の中でユリウスが弟の名を呼ぶ。
「うっ……うぅ…っ……」
己の限界が近いことを悟りながら、それでもユリウスは言わずにはいられなかった。
「……ああ、だが、これも」
途方に暮れたように兄を見る姿は――――ちっちゃなルドガーの姿を否が応でも思い出される。
結局のところ、俺たちは変わっていなかったのだ。あの頃と何も。
「俺の望んだ世界……か」
嗚咽交じりの声が、薄らいでゆく世界の中で聞こえるような気がする。
その背中をあやす様に撫でながらユリウスは空を見上げた。

もう見ることのできぬ、青かった空を。





信じてる 信じられてる
空だって 飛べる気がする

ただひとり
君のためなら





12.12.14執筆