2016.05.03 執筆
2018.03.03 公開

砲台は男の浪漫

「私ばかり、公平じゃないだろう」
 深く息を吐いて、私はホープの上に伸し掛った。裸の胸がすぐ下にある。触れ合った素肌はしっとりとしていて、心地よい。しかしその体温は、はっきりと分かるほど熱を帯びていた。
 指先がへそを下って、下着に覆われたその場所にたどり着く。大きなテントを張るその場所に手を伸ばせば、びくりとホープの体が震えた。
「っ……いいんですか?」
 確かめるようなその言葉に、私は思わずむっとして返事した。
「翻弄されてばかりなのは気に入らない。私だっておまえの恥ずかしい姿を見てみたい」
「ふうん。僕の恥ずかしい姿ですか」
 面白そうに唇を弧に描いたホープが私を見下ろしている。その視線が尚更気に入らなくて、私は挑戦的に言ってみせた。
「――覚悟してろ」
 手を割り込んで、ホープ自身に触れる。途端、弾けるように姿を現した一物に私は思わず目を剥いた。……そう言えば、まじまじと見るのは初めてだった。
「ほら、どうしてくれるんです?」
 にやにやと楽しそうなホープ。その言葉から、私が少なからず戸惑いを覚えていることを楽しんでいる節が感じられる。
 くそったれ。思わず内心悪態をついて、私はそそり立つ一物と対峙した。気持ちとしてはキングベヒーモスと戦う直前のそれに近い。
「そう笑っていられるのも今のうちだ」
 決心して、私は唇を大きく開いた。そして。
「……ああ、いいですね」
 ぽつりと落ちてきたホープの声は酷く恍惚としていた。
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