この物語を書き始めてから書き終わるまでに実に8年間の月日を費やしました。
リブにとっても私にとっても長い長い旅路でしたが、なんとか筆を下ろす事が出来てほっと一息ついています。そんなわけで『消せない想い』、これにて完結です。

実はこのあとがきを書いているのは、書き終わってからまだ一日しか経っていないタイミングなので、正直実感はまったくありません。リブたちはまだ元気に暴れまわっているような、そんな感覚すらあります。これまでずっと一緒に歩んできた可愛い娘なので、余計にそう思えるのかもしれません。
でも、これでおしまい。
リブたちは幸せになりました、めでたしめでたし。これでいいじゃない。生みの親として素直に娘の幸せを願っています。まー、これからが波乱万丈でしょうけど。人の人生なんて書ききれるもんじゃないっすね。

8年間という長い年月をかけて作ってきたのでそれなりにこの物語には愛着がありますし、付き合ってきたテイルズという世界観についても思う所はたくさんあります。
そこで今回蛇足だろうとは思うのですが、この完結という機会を通してあとがきという名の製作秘話?を付けてみた次第です。
ここから先は私の公開羞恥プレイなので、まあ付き合ってやんよという気長な方、お茶でも片手にのんびり付き合って頂けたら幸いです。あくまで蛇足ですからね。読まなくっても物語自体には影響ないのよ!
本編がすでに羞恥プレイなのはこの際気にしない。


■File-1:テイルズオブディスティニーという世界について

8年間続けておいて、これを語らぬわけにはいかんでしょう。ってことでまずは作品の元となったTODについて。
これだけ長い時間費やしてきたのだから、私は超TOD好き!愛してる!!……と言いたいところですが、実はそういうわけでもないんですよ。いや、好きではあるんですけど、8年もかけて超大作作ってやんぜ!!って気概は少なくとも書き始めた当初どこにもなかった。もともとのキッカケはTOD2プレイした直後で熱が入っていたので、ブームに乗っかって書き始めたようなもんなんです。
つまり私には最近の若いもんは愛が足りんホニャホニャホニャとか言える立場にはいない。っていうかすいませんブーム乗っかるの超好きです。熱しやすくて冷めやすいしね。
じゃあなんで8年もかけて書いたんだよってなるんですけど。一言でいえばつまり『惰性』。
書く→飽きる→放置→思い出す→書く
というどうしようもないスパイラル。だらだら書き続けて8年間かかってしまったわけです。最悪だなコイツ。
ちなみに私の場合思いだす事が出来ず放置することはままあります。ですので、この作品を完結させるあたって一番自分を褒めちぎりたいのは、よく思い出すことができたな、という一点です。私の場合、書き続けるモチベーションってのは時々どこか遠い星へお引越ししちゃうので、呼び戻す作業がとても大変なのです。

……話がそれました。テイルズに話を戻そうか。
そういうブームに乗っかる気持ちからスタートだったのですが、まー書けば書くほど世界観の深さに引き込まれていくんですよ。っていうか好きにならないと話書くのが辛いんだよ。資料探すのに膨大な時間かけるしね。
話書くにも下地がないとお話にならないので、資料集+攻略本+映像のチェック+ネットからの検索で設定を頭に叩き込んでゆくと、段々世界観が見えてくるんですよ。TODはすげー殺伐としてるし、地味にえぐい。でも各キャラクターの背景が掘り下げられて、魅力的な世界だと思います。TOD2はカイル視点での物語なので、大分ライトな感じだけど、最後の成長ぶりは泣ける。ていうかリオン変わりすぎだろ。お前本気でどうした。……あと、これだけは言わせてほしい。軍階級が滅茶苦茶なのだけはどうにかしてくれ。いや、偉い人にしたかったのは分かるんだけどさ。
まあ、書いている内に好きになっちゃったっていう話です。よく少女漫画にある展開ですな。最初はノリで思わず付き合ってみたけど、長く一緒にいたらもう離れられない!みたいな。


■File-2:どうしてこうなった\(^p^)/主人公設定

某掲示板で見ました。痛い夢主人公設定典型例。
とりあえず該当していたのは……。

・超絶美人
・ロング銀髪
・最強設定
・モテ子
・料理殺人的
・方向音痴
・歌うまい
・暗い過去がある

こんな奴いねーよwwww中二病乙wwwwww
…………………………すんません(笑)

この話を書きだしたのはもうちょっと後ですが、思いついたのは絶賛発病中の年齢だったんだよ!悪いか!ああそうだよ今思うとちょっと恥ずかしいよ!!
我に返ったころには時すでに遅し。すでに連載云年目。
しかもD2編に入ったら記憶喪失ネタ使おうと思ってた。それこそまさにあるあるパターンで、今思うと本当にブームに乗ろうとしてたんですね。
このままじゃよくある話になると思って、某所を見ていたら「よく主人公に別の人格が入るのを見る」という言葉に天啓を感じました。
マジカル☆リリカルな力じゃなくて、リアルな病気として二重人格障害を取り扱ったら面白いかも?どうせなら二重じゃなくて多重くらいやったらインパクトあるんじゃないか。
それが、この物語の大きなターニングポイントになったのだと思います。
つまりこの物語、最初に全部を考えていたわけではなくて途中から大幅なてこ入れが入っているのです。
その後、容姿が変わるというこれまたお約束の展開も現実的な設定に変更。こうして恐らく、よそでは(少なくとも私は)今のところ見た事がない、若白髪多重人格主人公が誕生するわけです。さすがに円形脱毛症だと、女の子なので可哀そうだなあと自重しました。

こうして連載二年後の物語の総入れ替えに繋がります。当初はまだ一部の途中(二年経っているのに一部でしかも数話しかなかったところにやる気のなさが伺えます)だったのですが、全部入れ直しました。そしてまた飽きました。……ホント、どうしようもないな。
当時学生だった私は、授業中にお話を考えることに夢中になりました。勉強しろ。勉強したらもっといい大学行けて今とは違う人生が開けてたぞ。社会人になった今だからこそあの頃の私に言いたい事はたくさんありますが、ともかくお話を考えることに熱中したのです。


■File-3:8年間という惰性の歴史

そして書く段になって根気が続かなくなりました。典型的な駄目な例です。
そうこうしている内にTOD2ブームは終息気味になりました。新しいシリーズは出るし、他の主要な夢サイトもどんどん完結へと流れていったのです。
大好きな、私が作品を書くなかで影響もされていたサイトさまもついに完結しました。
そこへきてようやく私は自分のケツに火が付いた事を感じました。…………このままじゃやべえ、と。
そこから怒涛の更新が始まりました。それが一カ月で幕を閉じることになる毎日更新期間です。で、一度死ぬ気で頑張ると愛着が生まれてくるんですよ。こうなったらとことんやってやる。何年かかってもいい、私はこの物語を終わらせよう。そんな感じ。別に決意とかじゃないけど、漠然とそう思い始めました。
その辺りから結構ガツガツ頑張ります。ところが大学生になったらなったで、今度は研究室で忙しい。よし、週一回更新ペースにしよう。そうこうしている内に社会人になりました。基本一週間に一話……無理のないペースでやるようにしよう。こうして完結へと至ったわけです。
つまりこの八年間……ぶっちゃけて言うと当初リブと同じ年から書き始めたので、社会人として働き始めるまでの青春のあまじょっぺえところがそのまま作品に反映されているわけです。公開羞恥プレイとはこういうことを指すのだと思います。


■File-4:一番やりたかった事は「どんでん返し」

さて、作品をてこ入れした時期は私がノベルゲームにハマってた時期でした。
ノベルゲームって大体お話を面白くするために予想外の展開を持ってきたりするんですよ。「どんでん返し」ってやつですね。
加えて小説も色々読んでいた時期でした。小説ならではの手法……一人称による視点の限定。つまり、主人公視点で物語を進めることによって、並行して進んでいる現象や他人の感情をシャットダウンできるんです。

この二つに影響されて、視点を巧く切り替えて物語を組み合わせていけば、読者にアッと思わせるお話を作れるんじゃないかと思いました。
それが第一〜四部に反映されています。物語の各部に担当されている役割は、『起承転結』。一部でリブの生い立ちを。二部では旅の始まりと想いの芽吹きを。三部でどんでん返し。副人格であるレクシア視点での物語を。ここで読み手の方の興味を引きながら(願望)四部では全ての謎を解き明かし、物語のフィナーレを。これが各部に振り分けた物語の基準となる核です。
途中で三人称から一人称に切り替えたのは、実はこういう思惑があって、変更されていたのでした。


■File-5:学生時代は金がない

物語の大筋が決まって、伏線の張り方も大体固まっていました。(このあたりで旧サイト名『懐中時計』を伏線の一部に取り入れようと思いつきます)
さて、多重人格について調べよう。そう思ったら、ネットでは情報が限定的になってしまうわけです。本を買おうとします。そのアホみたいに高い価格に戦慄を覚えます。そして専門書になるのでチンプンカンプンなわけです。はげる。
ところが大きな坂の県へ出かけた時に、梅のつく駅の紀伊国屋で運命の本に出会います。低価格!分かりやすい!……そんな感じで資料集めをしつつ、読んで作品に反映できそうなところは取り入れて、あまりにも生々しくなる部分は割愛します。マジカル☆リリカルな力が作用するんだと言い聞かせます。下地がファンタジーだからこそできることです。ビバ・テイルズ。
念のために補足しておきますが、入門書で仕入れた知識なので結構いい加減なところも多いです。決してあれが正しい形と思わないでください。あれはあくまでフィクションです。
ともかく、そんな感じで副人格を練っていきました。

リブの幼いところから生まれた幼少のリトル(little)。
マリアンになりたいという理想の女性像を詰め込んだレクシア(reflection)。
人を殺す罪悪感に押しつぶされないために作られた、攻撃的な性格のクラッシュ(clash)。
多重人格障害を引き起こす前の乖離症状から生まれたフィクション(fiction)。
彼女らはそうして生まれてきました。


■File-6:夢小説に対する考え方というウンチク

この頃になるとオリジナルキャラクターを量産することに罪悪感を覚えなくなります。
連載当初、あんまりいっぱい出すと訳分かんなくなるよな……と思いながらも掘り下げていったロイ・ミシェル・シャーロット。両親であるステアとタナット。
それから一瞬出てきて消えたラデアさん。後半空気になった孤児の子供たちズ。メイドA・B・C。その他名前だけ出てきた人。
……ごめん、書きだしたら想像以上に多かった。
そんなこんなで厨臭さ大爆発な内容なのはもう手の施しようがなかったので、後半から開き直ることにしました。

物語の世界観はもちろん大事です。設定だって物語を作る上で重要な要素だと思う。
でも、夢小説というジャンルは、既存の物語に一人人間を加える小説のことを指します。
これはある意味世界観の破壊だと思うわけですよ。一人の人間が加わるだけで、人間関係や物語の内容は確実に変質するはずですからねぇ。
だから世界観や設定が大切なのは当然のこと、当り前の大前提で私が言いたいのは、夢小説なら書き手によって新しい世界観を作っちまえよ!ということです。
だから主人公を取り巻く新たな人間がいたってなんらおかしいことはないッ!……と自分を正当化してみました。文章書くときだけは達者になるんだから物書きって便利な生き物だと思います。ええ。
あ、これはあくまで私個人の勝手な意見なので、よそ様に押し付ける気はさらさらないです。私は物語の組み立て方とか、魅せ方とかテクニック面を重視しているので、そういう意味ではこの業界?で変わった方かなとは一応自覚はしています。たぶん。

まあ初期は確かに設定凝るの好きでしたが、歳を重ねてくると設定よりもその物語の質を重視するようになってきた感じです。文章の体裁、見やすさ、量。
途中からアベレージ20KBを目標に書き始めたのもこの辺りのところが原因です。おかげさまで三部初期は慣れないレクシア視点に四苦八苦しました。
活字慣れしていないと豪語する友人に言わせると、読む気力を失う量だったそうです。正直すまんかった。
でも、この量を書いたおかげで自分にとってはいい修行になりました。

そんなわけでこの小説は相当特殊な方向へ突っ走ってしまいました。そして名前の意味からしてあまりにも変換の意味がない上に、自己投影しにくいキャラクターとなってしまったため(してしまったらえらい目にあう)、夢小説という表記から名前変換小説と呼び名を変えました。
ただ、今回知名度的な観点から夢小説と表記しています。あしからず。
私にとってはあんまり変わらない気がするのですが、まあ、自己投影しない方がいいよという意味を込めて名前変換小説と普段は明記しています。


■File-7:物語の肉付けと書き手の意思に謀反を起こすキャラクター

二部まではちょっと精神的に不安定ながらも、元気な女の子が三部で病んで登場。その後ぱったりと消息が途絶えて、まったくの別人の視点に切り替わる。実はこの別人は、多重人格障害を患ってしまった女の子の副人格。どうして彼女は別の人格を作るに至ったのか、真相は第四部にて、乞うご期待!
書きたい話の核ができたところで、どんどこ話を積み上げていきます。書きたい話が決まれば、それに向けて伏線を張ったり、旅を進めていく過程も楽しくなるわけです。人参ぶら下げた馬みたいな気持でせっせと走ります。

合わせて世界観を掘り下げてキャラクターを動かすことを考えます。いちいちキャラわけ考えなくても、テイルズのキャラクターはちゃんとキャラ立ちしているので大助かりです。みんなかっちょかわいくてステキ!
とはいっても、私自体人間としての経験値がまだまだ足りないので、キャラクターの心情や考え方って言うのには制限が出てしまいます。自分の中に持ってるものしか、アウトプットできないしね。
特に新しくキャラクターを登場させる時は悩みます。そして自分の実年齢よりも上のキャラクターを書く時は頭を抱えます。大人の思考回路って分かんないんですよ。今ようやくアダルティーズの年齢に近づいたので、こいつらってこんなこと考えてたんだなーってことがちょっとだけ分かるようになってきたんですけど、書き始めたころは完全に手探りでした。
そういう意味では8年かけて良かったかなと思います。

付き合いが長くなればなるほど、私と相性の良い子と悪い子が出てきます。
相性の良い子は、私がやらせたいことを無視して勝手にどんどん物語に切り込んでいってくれます。つまり書いているうちに勝手に動き始めて、隙を見せるとすぐ話の流れを変更してしまう感じの恐ろしい奴らです。でも、予想外のことばっかりしてくれるので楽しい。おいおいどこまで行くんだよ!と何度思ったことか。
その分、打つ文字の滑りは早くなります。ちゃっちゃと書けちゃう感じですね。脱線も多いですが。
該当するのはリブ、エミリオ、ロイ、ミシェル、シャーロット、クラッシュ、クリス、ルーティ、フィリア、ミクトラン、ハロルドでした。お前ら元気良すぎ。

逆に相性の悪い子の場合は、私が頭で考えてから動かすので、予想通りの動きしかしてもらえません。従順で素直な子ともいいます。素直ですが、一挙動一挙動考えて動かすマリオネットになってしまうので、打つのにものすごく時間がかかります。
該当するのはレクシア、フィクション、ウッドロウ、エルレイン、イレーヌ、カーレルあたりですかね。まあご覧になって頂ければ分かるように知的なキレ者は苦手です。私が阿呆なのでこの人たちの思考レベルについていけない。

そういう意味でも先ほど言いましたが、三部の始めは苦しかったです。レクシア視点の三部、特に冒頭はかなり書きなおしてます。一度ごそっと消してるし。
レクシアの性格が中盤からかなり変質しているのは、彼女に自我が芽生えたというだけでなく、物語を進める上で自分で動いてもらえるようになるためだったりもします。おかげさまで地味に暴力的な女になってしまいました。すまん、レクシア。
三部で暫くレクシアにかかりっきりになってしまったので、四部の冒頭でリブの口調やら何やらをしれっと忘れてしまっていたのには焦りました。あんまり離れ過ぎるといかんですねえ。でも主人公不在の話も結構好きなんだよ。


■File-8:なんとかして幸せにしてくれ

四部で真相が明らかになったくらいに一度アンケートを取りました。
想像以上にたくさんの方にご回答頂けてとても嬉しかったことを覚えています。
そして任意として置いていたコメント欄の大多数の言葉は、「リブを幸せにして!」というありがたいお言葉でした。

リブ、あんたこんなにも幸せを願われてるよ。ええんか。こんなに想ってもらえてええんか?
諸悪の根源はミクトランでもなんでもなく(彼は最高のヒール役に徹してくれました。ある意味作者冥利に尽きる嫌われっぷりです)実は書き手である私です。
私がこんな物語を思いつきさえしなければ、リブは厨臭さ満点の元気な女の子で旅を終えられたのだと思います。そもそも産まれてすらなかった。でも思いついちゃった。
苦しみの中で生き抜く女の子の姿を描きたかったんです。リブがこうやって読み手の皆さんから応援してもらえるような女の子になれたのは、どん底の経験があったからとも思います。そして、どん底からあがいてあがき抜いて幸せを手にする物語だからこそ、私も書きたいと思ったんです。じゃなかったら誰が8年も付き合うか。

実はラストは何パターンか考えていました。ただ、幸せにして欲しいという色んな方の言葉を聞いて、なんとか幸せに、子供のころからの壮絶な生き様すら覆せるような幸せをリブに与えてやりたいと考え抜いて、最終的にこの結末にたどり着いた形です。
ロイたちの気持ちも酌めて、自分なりには最高のハッピーエンドにできたと思います。

冒頭でも言いましたが、私はこの長い期間をリブと共に旅をしてきました。
だから、この終わりはとても寂しい。続編は恐らく書くことはないでしょう。今の私にできる最高のハッピーエンドをリブにはくれてやったんだから、あとは勝手にやってもらうしかない。これ以上は蛇足でしかないと思います。
あとは野となれ山となれとは言いませんが、リブはリブなりに勝手によろしくするんだと思います。8年間の時間はそういう想いを私に与えてくれました。
あんたはあんたで波乱万丈な人生を楽しんでこい!私は私でこれから新しい物語を作るから。

…………あ。でも、時々は逢いたくなるので短編とかは書くかもしれません。というかリクエストで若干消化不良の短編があるので、少なくともそれは書くと思います。


■File-9:長い旅の締め括りに

まあ、そんなわけで完全に縁が切れることはないでしょうが、リブにスポットライトを置いた話はこれにておしまいです。
私とリブの長いお話しに付き合って下さった皆様には、感謝してもしきれるものではありません。元々は完全に自己満足の話でした。それを人様に見せようという思いで小説にできたのは、ひとえに付き合って下さった方がいらっしゃったからです。

今現在のところでは、私はこれから夢小説というジャンルには筆を置こうと思っています。もし書くとしても、昔書いていたお話の続きを書く程度で収まると思います。多分、新しく娘を作ることはないでしょう。
リブは私にとって可愛い娘です。
私の場合、20KBの小説一本を作るのに4時間程度かかります。この物語は全177話。前半部分は1話にそれほど時間がかかっていなかったとはいえど、気の遠くなるような時間、私はリブと共に過ごし、時に苦しめられ、そして彼女のことを大切にしてきたつもりです。
このジャンルで活動していこうと例え思っていたとしても、リブの存在があまりに大きすぎると思います。まあ、私自身がこれだけ長い時間やり尽くしてきたんだから、もうええかというところがかなり大きいですが(笑)

そんなわけで、これにて『消せない想い』は終幕です。
私とリブの長い長い旅に付き合って下さった方、本当にありがとう。
あなたがたの訪問や言葉が、私たちの力になりました。
これからのリブは自分の道を自分の力で歩いていきます。もちろん辛いことや悲しいこと、苦しいことなんてたくさんあるでしょう。生きていれば大変。働きたくないでござる。
……ごめんなさい、それました。
とにかくそういった辛いことがあるからこそ、帰って飲むビールが最高にうまかったりするように、嬉しいことや楽しいこと、幸せに感じることができるはずです。

改めて、こんな長ったらしいあとがきに付き合って下さってありがとうございました。
これからのリブと、そして共に旅して下さったあなたの幸福を心より祈っております。


2011,7 途戸